高年大学鯱城学園

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陶芸Ceramic Art

2023年度第1回作品

2023-07-11

 今日は今年度最初の作品に出合う日。皆の作品が、左下のようにラックに載って電気炉の部屋から引き出されました。
 今回は4種類(胴体が円筒のものと丸いものの紐作りの壺 2種、たたら作りの鉢、たたら作りの筒花生)の作品を作りました。ただし紐作りに関しては、いろんなアレンジをすることができます。(4種の例を中央)。
 作者それぞれが、右下のようにみんなに作品の説明をしていきます。
 今回は年度初めてというだけでなく、化粧土は使わず1年生は釉薬の重ね掛けはしないなどの条件化下で実施し、文化祭展示作品などに向けての試行錯誤のような意義もあります。

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 それでは、作品を紹介していきます。
 まずは紐作りの作品。紐作りで作ると成形の自由度が増すとともに、表面にゆったりした凹凸ができていて釉を掛けるとそれに対応した濃淡ができるなどの味がでます。
 左下は絵付け剤の青呉須の線の下絵に白マット釉を掛けた作品。青呉須は透明釉を掛けると青い線になりますが、半透明の白マット釉を掛けると薄い紫色に透けて見えます。その線と表面の凹凸にほのぼのとしますね。
 下中央は注ぎ口を付け、右下は取手およびユニークな上部形状で、紐作りの成形自由度を活用した作品。ともに鉄赤結晶の釉を使っていますが、だいぶ違う色合いに焼きあがっているのが、焼き物の面白いところです。

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 同様に紐作り作品3点。
 左下は上部に緑の織部釉を掛けその上全体に御深井釉を掛けたもの。釉はともに高温で流れやすいもので、地の凹凸に沿って釉が流れることでできた模様が面白い。
 下中央は蓋つき壺で、蓋はたたら作り。黒の天目釉と白マット釉の重ね掛けがなされています。右下は天目釉に半分白マット釉を重ね掛けしたもの。この白黒の釉は白を後で重ね掛けすることで、2色の細かなパターンができますが、掛ける条件が異なることでこれだけ文様が異なっています。

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 ここからは、たたら作りの鉢の作品の紹介です。
 たたら作りで作ると表面はつるりとたいらになります。そのままで使ったり、模様を転写したり土を張り付けたり、線描したりして使います。
 今回は指導員が角材断面の年輪模様を転写する例を示したので、それをやってみる人が多く出ました。なお年輪模様の転写は曲面に成形する前に実施です。
 左下は布生地の模様の残る面に角材の年輪模様をつけ、角材転写部に青呉須を塗りそれに黄瀬戸釉を掛けたもの。
 下中央は同様に年輪模様を転写し、そこに青呉須、鬼板呉須(茶色)で下絵を描いて、その上に御深井釉を掛けたもの。ともに半透明の釉であり、呉須の色を見せつつ前者はその他の部分を黄色、後者はその他の部分をうす緑色に染めていて、ともに渋い感じがします。
 右下は転写までは同じですが、全体に青呉須を塗り、その上に透明釉を掛けたもの。くっきりして青が深い。

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 同様にたたら作りの鉢ですが、2色の色を組み合わせたものを紹介します。
 左下は織部釉と黄瀬戸釉、下中央は白マット釉と黄瀬戸釉を半分ずつ掛けたもの。両者の重なる中央部では面白い色合いが出ています。
2色の組み合わせで、釉の重ね部の状況を調べることができます。
 右下は、天目釉を全体に掛けその後半分に白マット釉を掛けたもの。先ほどの壺での白と黒の両掛けの雰囲気と違っています。

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 同様にたたら作りの鉢の作品。
 左下は青呉須、鬼板呉須の下絵に白マット釉を掛けたものですが、黄瀬戸釉や御深井釉の下絵の透け具合とはだいぶ違います。下絵の飛沫がポップです。
 下中央は素地に線描し、白マット釉を掛けた上に青呉須、鬼板呉須で絵を描いたもの。絵がかわいらしく、また青呉須が輝いています。
 右下は1年生の説明の様子です。

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 ここからは、たたら作りによる筒花生。こちらも平坦な状態の表面をそのままで使うとか、模様を転写したりなど鉢の時と同様です。
 左下は斜めに交互に線描きした後、青呉須を塗りその上に白マット釉を掛けた作品。呉須が多いと釉を弾くのですが、弾いた場所や弾かずに釉を透過している青色の濃淡が面白い。
 下中央は花を張り付け茎を線描し、全体に黄瀬戸釉を掛けたもの。線の部分に黄瀬戸特有の茶色の焼けが出ています。
 右下は、縦に線を描いた地へ青呉須や鬼板呉須で縦方向に色を付け、それに御深井釉を掛けたもの。高温時の釉の流れに伴う下絵具の流れを確認しているようです。

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 左下は上部の1/3に織部釉、下の1/3に鉄赤結晶を掛け、それから全体に白マット釉を重ね掛けしたもの。重ね掛けの面白さが出ています。
 下中央は左が紐作りの壺で右がたたら作りの筒花生に、ともに白マット釉を掛けたもので、左は文様を貼り付け右は押し込んで、そこにカラフルな色絵具をつけたものです。華やかですね。
 右下は3種の対象に局所の織部釉を掛け、全体に黄瀬戸釉を掛けることで、この2種の釉の素地との相性の確認をはかった作品です。
 このように、今年最初の作品という楽しみとともに、今後の文化祭、そして8クラブ展に向けての試行錯誤の場として活用されています。
 まずは11月の文化祭、これらの経験をどう生かしているか、是非陶芸クラブの展示室を訪問ください。

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